以下は、「デジタルファッション×メタバースで新しいカルチャーを。KOL Technologies メタバース事業部 RYO氏へインタビュー【前編】」の続きです。
現状の課題
RYO:少年漫画のワンピースで例えるなら、今は航海を始めたばかりの段階なので、本当に2人目の仲間を探していて、次の課題も見えてくる前ですね。
まずは仲間を集めることが次のステップに進むために必要なことでもあるし、課題になります。
小磯:今の人が足りないというところは現状、どのように対処されてるんですか?
RYO:ゲーム業界やVTuberの業界、ARの開発会社で働いている友人に紹介ベースでお会いして「こういうことをやろうとしてるので、よかったら一緒にやっていきませんか」というお話をして、声をかけていますね。
あとは、Twitterで良さそうな人を探してDMしたりしています。やってることはこの2つかな。
小磯:具体的に案件が動いた時は業務委託の方などに頼んでいらっしゃるんですか?
RYO:まだ部署を立ち上げて2週間とかなので...(笑)
小磯:そうすると、*以前友人づてでご連絡くださったのは部署立ち上げたばかりのときだったと言うことですか? *インタビューの数週間前にも一度お話ししています。
RYO:そうですね、10月の半ばくらいにKOL Technologiesの方から「一緒にやっていきましょう!」とお話しいただいて、そこから色々準備し、立ち上げというような形になったのが11月頭ぐらいなので。
小磯:そうしたら、行動めっちゃ早いですよね。
すぐ、間接的に友人にご紹介いただいたということですね。やはり皆さん、スタートアップ速度でやってらっしゃる。
RYO:他にできることもなかったというのが、正直なところではあります。(笑)
小磯:先程も少し触れたが全然違う質問になるんですが、RYOさんが観てるXRやデジタルファッション、NFTの領域はどうなっていくと思いますか?
RYO:ネットの記事を読んだ程度の情報にはなりますが、外部要因で言うとやはりテックジャイアント中でもMetaがARグラス、GoogleもARの開発に注力していったりというところをみると、ARの方が技術的に普及するのではないかと見ています。
グラスみたいなところでいくと、アニメ『電脳コイル』みたいな、日常的にそれらを装着するような未来がきてもおかしくないかなと。
ただ一方で、ARだと色々と問題点があるとも考えます。
常時つけていると、安全性に課題があったり、ユースケースも限られてきそうだなと思うので、スポット的な使い方になるのかなとは思いますね。
その中でデジタルファッションの話を例にあげるなら、例えばライブ。
今は、バーチャルライブの演出だと、服からいろんなエフェクトが出て、自分とアバター2体で共演するようなシーンというのは、PCを通したりなどでしか表現できないんですけど、
おそらく今後は、それが多分リアルの場にいても現実を拡張してその衣装にエフェクトをつけたり、変化させたり
小磯:ええ。
RYO:あとはさっき言ったアバターとの共演とかっていうのも、これから割と自然になってくるんじゃないかなと思っていてます。
そういった、ライブや舞台のような多くの人の視点が集まる場所では、デジタルファッションはかなり普及するんじゃないかと考えています。
また、パーティーなど限られたスペース内では、ARを使ったようなデジタルファッションっていうのは割と流行るんじゃないかとも予想しています。
小磯:そうですね。
RYO:その他には、Metaが発表していたように、VRChatのようなVR上のSNSはこれからますます発達してきそうだなと。
今のSNSと同じように、アイコンを変えたりなどの、ある種の自己表現方法というのはこれから出てくるだろうと思っています。
そのなかで、アイテムやスキンの一種としてのデジタルファションというのはこれから流通が増えて、市場の規模としても伸びるだろうなと考えていますね。
小磯:むしろ伸びしかないですよね。
RYO:そうですね。あとはやはり、僕ら世代だとアニメだとかゲームだとかでイメージしやすいです。そして、下の世代だとさらにすごい。
小磯:凄そう。
RYO:例えば、ゲーム内課金。Fortniteという著名なシューティングゲームのなかでは、基本的に強くなる課金というのはできません。代わりに、スキンという洋服や銃の模様を変えたりというようなものへの課金が主になっています。
中学生などでも、そういうアイテム課金などに抵抗なく行っているコも増えてきています。
そんな子達たちからしてみると、人と交流する場において、自分のアバターをもって見た目を変え、独自性を出していくというのは普通のことになっていくだろうなと。
そういうようなところでデジタルファッションなどは伸びていくかなと思います。
XR業界を目指す方へ
小磯:XR業界に転職したいと思ってらっしゃる方へ向けたアドバイスなどがあればお願いします。
うちへの応援メッセージみたいなものでもいいんですけど(笑)
RYO:僕自身、XR業界に片足を踏み入れたのもつい最近なので、こういう業界ですよとかあまり大きいことを言えない。
むしろこれから一緒に知っていくというか、僕の方が後輩みたいな立場になるかもしれないんですけど。(笑)
ただ、XRというのは、昔SFで描かれていたような世界観のように視覚や触覚情報だけでなく人間の可能性を拡張していける領域だと思うので
今まで、表現できなかったようなことができるようになってくると思うんです。
僕たちの関わっているファッションの領域でいうなら、ファッションと音楽とか、ファッションと映像、エフェクトの演出など、
今まで概念的にはミックスされていたけれど感覚的にはそうではなかったようなクリエイティブの領域が、XR領域によって融合され、今までなかったような表現などが生まれてくるだろうなと考えていています。
新しいインフラじゃないですが、そういうような新しいものとか楽しいものを一緒に作っていける業界だと思うので一緒に頑張っていきましょう、という感じですかね。
小磯:ありがとうございます。あ、うちへのメッセージも送ってくださっていいですよ。(笑)
RYO:僕はお世話になってる立場なので...(笑)
小磯:期待してることととかでも。
RYO:国内で一番XR系のエンジニアが職場を見つけやすいサービスだといいな、とかかな。
XR業界っていうのは割とビジョンドリブンな業界だと思うんですよ。
小磯:確かに。
RYO:こういう世界観でとかこういうものを成し遂げたくてみたいな。自分と合っているところ、ビジョンで共感できるところをマッチングできるようになるとすごいいいなと思います。
小磯:頑張ります
RYOさんからメッセージ
小磯:御社やRYOさんからのメッセージなどをお願いします。
RYO:今までのお話で、僕自身のどういうところに興味を持っているかなどはお話しさせていただいたかと思うんですが
今後、ファッション、音楽、映像、演出などが混ざり合ったような、圧倒的に新しい表現を使った洋服や映像を作っていくクリエイターっていうのは沢山出てくると思っています。
僕らは、そういうクリエイターたちが、自分達の作った作品などを売買できるマーケットプレイスを作ろうとしています。
全く新しいもの、全く新しいクリエイター。挑戦的で楽しい領域にはなってくると思いますし、自分でいうのも何ですが、割とイケてることを仕掛けていこうとしています。
また、うちのKOL Technologiesは元々、アパレルの余剰在庫を低価格で本当に欲しいと思っている方々に届けるというSDGsに関わる事業もしています。
余剰在庫というのは現在、全世界で毎年220億着が廃棄され、世界的な問題になっています。
小磯:220億着!?
RYO:確か、そうですね。国連のカンファレンスなどでもアパレル業界は環境変化や気候変動においても目下、課題のある業界だと言われています。
弊社は、余剰在庫という観点から、せっかく作ったのにそれを廃棄することが当たり前になっている業界構造を変えていきましょう、と取り組んでいる会社でもあります。
厳密にいうとデータ処理をしたりするときの電力消費の問題などはあるのですが、その中でデジタルファッションというのは、廃棄するものに比べると環境に優しい。
例えば、「可愛いから買ったけど着ない。」みたいな服やただコレクションするためのスニーカーなどは、割ともうデジタルでいいんじゃないかと我々は考えています。
小磯:所有欲を満たすためのコレクションとかの文脈でいったらってことですよね。
RYO:そうですね。そういうものをデジタルでコレクションしていって、環境にもフレンドリーなもの、フレンドリーなファッション文化を作っていこうとしています。
小磯:もしかしたらMESONさんと領域としては近いんですかね?
RYO:MESONさんは自社でARを用いて作品を作っておられる会社さんだと思うので、
僕たちは自社でコンテンツを作っていくというよりかは、クリエイターたちがものを売り買いできるようなそういうプラットフォームを作ろうとしていますね。
小磯:そうするとやはり、NFTとかと繋がりますよね。
RYO:そうですよね。
小磯:つまり御社がこれからやっていかれることというのは、リアルとバーチャル空間のファッションの課題を全部まるっと解決しますよってことですね。
RYO:そういう課題も解決しながら、すごい便利なものやすごくカッコいいものを作って行きたい。そういうクリエイティブなところを大切にしていますね。
カッコいいことできる人たちをちゃんとカッコいいところに連れてって、課題を解決しようと。
小磯:カッコいいにこだわってはるんですね。
RYO:そうですね。やっぱりファッションに関わることをやっているので。
僕がこれからやっていく、デジタルファッション、メタバースの部署では実際、カッコいいところ、イケてるところっていうのは大事ですね。
カッコよかったり、魅力的なものっていうのはいつの時代でもみんなが求め続けるものですよね。
課題をロジカルに解決していくことも大事だけど、楽しく、カッコよく解決していきたいなって思ってます。
株式会社KOL TechnologiesのHP https://kol-tech.co.jp/
RYOさんのTwitter @sasaryo0412