エンジニアと気軽に話せる『ハッカー飯』株式会社スタークロス代表 西田宗太郎氏へインタビュー

目次

今回はエンジニアと気軽に話せるマッチングサービス「ハッカー飯」を運営しているスタークロス代表の西田さんをお呼びしました!

実は友人に教えていただいたハッカー飯ですが、気づけば西田さんには自身主催の交流会や勉強会に参加していただいく一方、私もスタークロスさんのオープンアジェンダに参加させていただいたりお互いに誘い誘われる関係になっていました。

サービス開発秘話など、一般公開のものでは初情報も盛りだくさんです!



西田宗太郎(にしだ そうたろう)

株式会社スタークロス代表。

エンジニアと食を囲む感覚で気軽に話せるマッチングサービス「ハッカー飯」を開発。福岡出身、インターネット広告の会社で8年ほどエンジニアリングを行う。会社が小規模のフェーズから上場までを経験し、2020年に株式会社スタークロスを創業。普段は主にWebサービス開発に従事し、フロントエンドからバックエンド、またインフラ含めて開発を行う。

Twitter @sotaronishida



自己紹介と事業の概要説明


小磯:本日はよろしくお願いいたします。まず初めに自己紹介とどんなことをやってるか教えてください。

西田:昨年、スタークロスという会社を立ち上げました西田といいます。

現在は土日起業というカタチで、友人と一緒にエンジニアと食を囲む感覚で気軽に話せる「ハッカー飯」というサービスを運営しています。


このサービス始めたきっかけは、元々自分自身がスタートアップが好きでよく友人を手伝っていたときに、多くの人からエンジニアが周りにいないと相談を受けていたからでした。

また、僕自身もその課題に共感していました。

加えて、エンジニアがいるとアイデアをカタチするスピードが上がり、世界がより良くなっていくだろうなと感じ、それを体現するサービスとして「ハッカー飯」を作りました。


なぜ、「ハッカー飯」(という名前)にしたかというと、仕事をする前には大体その会社のCEOと一緒に食事をして、その中でお互いに相手のことを知り、ビジョンが合えば一緒に仕事をするという流れがあったからです。

このサービスを通して、そういう世界観をどんどん作っていけたらいいなって思っていますね。事業内容の説明は以上です。


小磯:私もハッカー飯を使わせてもらって、以前に自身が開いたイベントでもハッカー飯をみんなに使っていただいたりしましたよね。

西田:その時はありがとうございます。


小磯:いえ!西田さんがエンジニアだからこそだと思うんですが、当事者に寄り添ったプロダクトを作っているのがすごくいいなと思っています。

西田:ありがとうございます。


ハッカー飯の開発経緯


小磯:今回はその辺りの話やプロダクトのより細かい開発意図、経緯をうかがいたいです。始動されてから一年くらいですよね。

西田:そうですね。実は去年の今頃、やりたいと思っていたことが2つありました。

現在、僕を含めてエンジニアが3名いるんですが、一つ目がGumroad(商品が主役になったメルカリのようなサービス)のようなサービスを作るかハッカー飯を作るかという2つの話が出ていました。

小磯:そうだったんですか。

西田:当事者的な観点でいうと、ハッカー飯をやったほうがいいよねってという話になって方向性が決まりました。

そのときにはすでにハッカー飯という名前も自然に決まっていました。

小磯:そうなんですね、確かに語呂がいい。

西田:語呂はそうですね、確かによく褒められます。笑

そこから始まって、12日くらいでプロトタイプを作って...

小磯:すごい、そんなに短期間で作られたんですか!しかも今流行りのノーコードを使わずに全部コードを書いてらっしゃいますもんね。

西田:一緒にやっていたエンジニアが、本業でマネジメントの業務が増えたためにあまりコードを書かなくなってきていて、そのことに少し不安を抱いていました。

だったら一緒に自分達でプロダクトつくろうよ!と。


小磯:ボードメンバーのうち、西田さん含めて2人がエンジニアで...

西田:そうです。そこからさらに、ビジネスサイドとして渡邉がジョインしました。

最初にプロダクトとを見せたら、「あ、これ使いたい」と言って、そのまま夜にLINEで「仕事の話をしたいんですけど」と連絡がきました。てっきり僕に仕事を発注してくれるかと思っていたんですが違っていて。笑


1週間くらいで直接話して、チームメンバーに入りたいといっていただいたのでそのまま一緒にやることになりました。

僕も彼のビジネス的な視点は欲しいなと思っており、いつかプロダクトが完成したら声をかけようかなと思っていたので、両思いじゃないですけど、結果よかったなと。


小磯:好きやった子から告白された感覚ですね。笑

西田:そんな感じですね。笑

小磯:渡邉さんから打診されてたのは知りませんでした。

西田:そうなんです。


小磯:スムーズなチームビルディングですよね。

西田:採用活動とかは全くしてないんですけど、自然とチームが集まってきたという感じですね。元々、過去一緒に働いてた人とかも一緒にやりたいと連絡をくれました。

ジャック・マーに似ている彼です。

小磯:あ〜!オンラインでお会いしたことあります。

西田:今まで本当に人には恵まれてきたなと思います。


小磯:今は4名体制でやってらっしゃるんですか?

西田:VC的な感じで関わっている方やデザイナーの方も含めると6〜7名ほどですね。


小磯:デザイナーの方もオンラインで一度お会いしましたね。

そしたらもうビジネスサイドもエンジニア、デザイナーも全ての役割の人が揃っているじゃないですか。


西田:そうですね。

ハッカー飯を作っていていいなと思ったのは、人の人生を変えるプロダクトであるということです。

おすみさん主催の「意識高すぎない系勉強会」で、G’s ACADEMYというプログラミングスクールの存在を知りました。

その後、福岡の友達に「これ受けたらどう?」って勧めたら受かっちゃって。


G’s ACADEMY
「セカイを変えるGEEKを養成する」をテーマに、2015年4月にデジタルハリウッドが設立したエンジニア・起業家養成スクール。
(参考:G’s ACADEMY


意識高すぎない系勉強会
小磯が不定期に開催している、すでに起業済み、もしくは起業やスタートアップやベンチャー企業で働くことに興味がある方々のための勉強会です。巷にはつよつよな勉強会が溢れていますが、もっと易しい(優しい)勉強会やコミュニティもあってもいいかなと思って企画しました。
(参考:意識高すぎない系勉強会


小磯:もしかしてこの前お会いした方ですか?

西田:そうです。

「意識高すぎない系勉強会」に参加していた、G’s ACADEMY卒業生の平澤さんと彼が実際に福岡で会ったことがきっかけで入学を決意したそうです。

株式会社Haundry 代表取締役 平澤 拡 氏
東南アジア市場向け洗濯宅配アプリHaundryを設立、同社Founder兼CEO。
(参考:元現地採用のぼくが「洗濯」で世界に挑戦する理由


小磯:すごいご縁ですね。

西田:ちょっとした縁が人の人生に大きく関わっていくんだなと。


小磯:ちなみに、最初はエンジニア中心のサービスだったじゃないですか。

でも最近はエンジニアじゃない方も入ってきてると思うんですが、不可抗力みたいな感じで取り扱ってらっしゃるんですか?

西田:エンジニアと話したい人がどんどん登録していけばいいかなと思っているので、問題ないです。「ハッカー飯」自体はここに来ればエンジニアと話せるという世界を作っていければと思っているので、サービスを盛り上げてくれるなら誰でも登録を歓迎します。


小磯:もう一つ聞きたかったことがあります。他にもいろんなマッチングのサービスがありますが、「ハッカー飯」の強みはなんですか?

西田:今のところエンジニアに特化しているという点があげられます。

マッチングサービスって目的が重要だと思うんですが、他のサービスをみているとただ単に話したいというものが多いように感じます。

また、結構エンジニア以外の利用者も多いですが、エンジニアが中心になって話せるというのが差別化要素になるのかなと。


また、フラットなコミュニティって今までは少なかったので。


現状の抱える課題ととっている対策


小磯:今のお話を聞くと順風満帆な感じですが、困っていることや課題を感じていることはありますか。


西田:マネタイズとユーザーのリテンション率をあげないといけないなと思っている。

定期的に一日一回もしくは週一回ペースで新着の情報を送ったりしないといけないなと。


現在は、サイトに訪れないと更新がわからない状況になっているので、もう少し通知を強化していこうかなと思い、実はさっきもコードを書いていました。

小磯:今も遅い時間なのにすごい。(小磯が海外に出張中の関係で日本時間22時頃のインタビューでした。)


西田:ようやく決算が終わりまして、

小磯:そうですよね、お疲れ様です!


小磯:ちなみに、打ってらっしゃる対策とかあるんですか?

西田:リテンションだと定期的に連絡を送るということと、マネタイズの方は法人向けの機能を作っていかないといけないと思っています。

なので、最近はビジネスサイドの人間と一緒に資料を作って、インタビューとかコールドリストを作って営業かけていこうかなと準備をしています。

そして、反応があった法人向けの機能をそこから実装していこうかなと思っています。


小磯:いよいよそちらに舵を切ってくんですね。

西田:今いるユーザー向けにサブスクでサービスを提供するということも考えたんですが、そうするとやっぱりマッチング率というのは下がってしまう。

小磯:ユーザーさんからお金とるのは難しいですよね。


XR業界の今後について思うこと


小磯:西田さんから見てXRの業界はどう思いますか?

西田:Metaの社名変更があり今後伸びそうだけど、VR元年はくるくる詐欺みたいだなと。


小磯:毎年やんって感じですよね。笑

西田:いつくるんだろうというのが読めないですね。

みんなスマホを持っているけど、みんながVRゴーグルを持っているような時代が来るのかどうかはまだわからないです。


小磯:確かに。

西田:(流れが)来たらすごく巨大な市場になるだろうなとは思います。


小磯:西田さんや周りの方々のお話でもいいんですが、VRとかARって今後どういうふうな使われ方をすると思いますか?

西田:実はPSVRを持っています。

小磯:そうなんですね!


西田:どんな感じなのかなと購入してみました。

僕が好きな「キングダムハーツ」というゲームをやってみたいなと思ったんですが、ちょっとやって飽きてしまいました。


小磯:飽きちゃったんですね。笑

西田:今は棚の中で眠っています。


西田:データベースもコンテンツも動画もそうだったように、技術というのは、戦争かエロかどちらかで発展しているというのを歴史でみたことがあって。

まずはその分野でVRやARが使われるようになってからという順番になると思います。

エロはもう使われていますが、戦争で使われている事例とかってあるんですかね?


小磯:戦争の事例はあまり存じ上げないですが、最初にコンシューマーへ、その後にビジネスサイドに広がっていくと思うので、それはこれからなのかなと。

西田:戦争はどうなんだろう、バーチャル銃撃トレーニングみたいなものはできそう。


小磯:人材の教育コンテンツとしてのVRやMRの利用はあるかなと思っています。例えば、InstaVRという会社がFamilyMartにVRの教育コンテンツを導入して一人あたり60時間の教育時間削減に成功した事例などはあります。

ファミリーマート×InstaVR VRプラットフォームを活用した社員研修プログラムの実証実験を実施 1人あたり約60時間の店舗オペレーション習得に要する教育時間削減を実現

なので、知らないところで戦争のトレーニングなどには使われてるかもしれませんよね。

さすがですね。


西田:僕が20代ずっと働いている会社がエロによって発展したので。笑


小磯:ちなみにPSVRはどこが使いにくかったですか。

西田:まずは目が疲れる、装着の圧迫感がある。1時間没頭するの厳しいなという印象はありました。メガネくらい手軽だったら使い易いかもしれません。


小磯:最近は、今のメガネと同じようにコンパクトなものも出てきているので、もしかしたらゆくゆくはそういう風になっていくかもしれませんね。

ただ、確かにハードの部分は課題がありますね。


これからXR業界を目指す方へ


小磯:これからXR業界を目指す方々へ向けてメッセージをお願いします。

西田:PCができて、スマホができて、次はもしかしたらXRかもしれない。

断定はできないですが、10年に一度くらいのチャンスかもしれません。

その波に乗っかるのは素晴らしいことだと思いますし、新しい文化を作っていけるXRというのは本当に面白い業界だと思うので、業界に入ったら毎日がワクワクするんじゃないかと思います。

小磯:おお〜いいですね。


西田:興味を持っていたら、迷わずに飛び込んでしまえ!というのはいいと思いますね。

もしXR業界に興味がある方がいれば、「ハッカー飯」で食事会など開いていただいてXRの魅力について語っていただけたら、興味を持つかもしれないです。


小磯:「ハッカー飯」でリアルの勉強会とか飲み会もやりたいです。食事会もオンラインが多いじゃないですか。

西田:実は今週末初めてリアルで開催します。店員さんにスマブラで買ったらドリンクが一杯無料になる居酒屋があって、エンジニアはスマブラ好きな方多いのでそこで集まります。


小磯:そんなお店があるんですね、VIPに乗ってる方が行ったら全部無料で飲めちゃうじゃないですか。笑

西田:でも流石に1杯だけだと思いますけどね。笑


西田さんからメッセージ


小磯:今のプロダクトのPRや伝えたいメッセージがあればお願いします。

西田:ここ一年で学んだことは何をやるにもやはりリスクがあって、ほとんどはうまくいかないということです。


小磯:西田さんでもですか?

西田:はい。ただ、当たり前だと思うようになったら、生きやすくなりました。

「失敗したけど、ここ改善したらまた上手くいくかもしれないし、また挑戦するか!」という風になれたので人生観としてはそれを伝えたい。

それに、挑戦していくうちに莫大な成功をおさめるかもしれなません。

行動して失敗しても、次があるんだよ。ということを伝えたいです。


ハッカー飯としては今後、法人機能を作り、もっとスケールするような政策をとっていく予定なので、今後のハッカー飯にも乞うご期待ください。


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